明るい顔で



顔は面白いものです。こちらが明るい顔をしていれば周囲も明るくな り、暗く沈んでいれば周囲も暗くな ります。顔は自分のもののようですが決して自分だけのものではなく社会のものだともいえます。

しかし、昔から顔は心の窓と言うように喜びも不平も不満も怒りも直 ぐ顔に表れます。そんな心に乱されないで明るい顔、明るい心を持とう とすれば、人一倍自分を見るしっかりとした心がなければ持てません。

例えば、悪口は不愉快なものですが、本当に自分の欠点や愚かさを知る人には、その悪口が有難くさえあるものです。即ち、欠点だらけの自分なればこそ皆に許されてはじめて生きられることの有難さを腹の底から知り、感謝しているからです。こういう人は、いつも明るい心の持ち主で、明るい顔のできる人です。

考えてみれば、信心は明るい顔をつくる稽古です。いつも天地の恵みの中に生かされている有難さを喜び感謝の心で生きる稽古をしているからです。そこに明るい顔が生まれます。

暗い顔になりがちな今年の師走。人にも神様にもお世話になっての一年に思いを寄せて、お互いの明るい顔でこの世の中を少しでも明るくし、一年をしめくくりたいと思います。 有難うございました。
   
       (平成4年1993.12.01 教会だより 188)
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