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便



















































































 







かつこの部屋










        

           涙の部屋


    秋風の駅  
 諒子は、小さな駅に降りました。 「大丈夫よ。諒子は一人で行けますよ。あかちゃんが生 まれるまでのことだから」と、おかあさんがおばあちゃ んに電話をかけていました。「おばあちやん、大丈夫だ よ」と諒子も電話口で言いました。  
 秋の風が吹き、すすきの穂が揺れている駅には、おば あちゃんが迎えに来てくれていました。おばあちゃんの 家に着くと「諒子、早速だけども部屋に荷物を置いてき なさい」とおばあちゃんが言いました。     
    古いベット  
 二階の部屋には小さなベットが二つ並んでいました。 諒子は荷物を置いて、ベットに寝転びました。古いベッ トからギシッと音がしました。寝返りするとまたギシッ と音がした。静かな部屋のギシッという音は何故か寂し い音で、諒子はお父さんお母さんのことを思い出し、泣 きたくなって枕に顔をおしつけ泪をこらえました。
 「一人で行けるよ」と言ったのに泪があふれ頬を流れ ました。「トントン」誰かが肩を叩きました。振り向く と男の子と女の子がベットの脇に立っていました。      
 
   ここの子
 「泪をありがとう」と男の子と女の子は口をそろえ言い ました。「初めまして諒子ちゃん。私たちはここの子。 この部屋で泪を流してくれると、泪から出てこられるの よ」と女の子が言いました。「泪から出てきたの」諒子 は聞きました。「そうだよ」こんどは男の子が言いまし た。そして棚の絵本を懐かしそうに見ました。「このタ ンスには、ぼくや姉さんの帽子もあるよ」「私たちがい なくなっても、なつかしい絵本や童話もそのまま置いて ある」二人はなつかしそうに部屋を歩き回りました。       

   ママをよろしく   
 「ああ、私たちもう帰らなくては」「もう帰るの。寂 しいわ」と言う諒子に「あなたの泪が乾いてきたでしょ う」と諒子の頬を触って女の子が言いました。「諒子に 会えてよかった。私たちのママをよろしくね」やがて二 人の声が小さくになっていくのを諒子は感じました。遠 いの出来事のように思えてきました。
 「私たちのママはやさしいよ。寂しくないよ。諒子」 やさしく頬にキッスして「じゃね、さよなら」と二人は 部屋から消えて行きました。     

    もう少し頑張るよ  
 翌朝、目覚めた諒子はおばあちゃんと朝ごはんのした くをしています。「昨日は疲れたんだね。いつの間にか 寝てしまったね。」おばあちゃんが笑いながら言いまし た。諒子は昨夜、部屋で会った二人のことはおばあちゃ んに話せませんでした。
 あの部屋で二人に会うことはもうないかも知れません。 おとうさんとおかあさんと生まれたばかりのあかちゃん が待っている家に帰る日までおばあちゃんの家で「が んばよ」と小さくこぶしをふって思いました。

                 おわり   





 
いさお
可笑しな話
(第1話〜40話は前の記事に保存)

第41話ゴキブリ
 嫌われモノのゴキブリを生物学的に研究する人がいます。アメリカのある生物学者は、ゴキブリも訓練すると、幾つもの曲がり角や行き止まりを記憶し迷路を抜け出す能力のあることを発見しました。ただ、覚えたことをすぐ忘れるので実験するたびに訓練するのが大変だと言いましたが、それにしてもこの研究の成果を何に役立てようとするのでしょうか?まさか米軍の新兵器にでも?!
 ◆こんなゴキブリも、私達の生活では、すっかり嫌われモノで、姿をみせれば、たちどころに追いかけられ、一撃のもとに撃退されてしまう運命ですから、可哀想といえば可哀想な生き物です。
 ◆いやいや、同情していたのではいけませんが、捕まえ方も色々だと教えられました。ゴキブリを好きな人はいません。特に若い女の子は、キャーって逃げ惑うとお考えの人が多いいでしょうが、あるインターネットの記事に、「僕の彼女は、ゴキブリに整髪用のスタイリング・ハード・スプレーをかけて固めてゴミ箱に捨てる」と書いてありました。なんというアイディアでしょう。殺虫剤をかけても動くゴキブリをつかむのは気持ち悪く始末が悪いのですが、固めてしまえば、紙に包みやすい。そこで試しにやってみたところ、数歩歩いたところでゴキブリが自由を奪われて固まっているではありませんか。恐るべしギャル知恵。  
 




まぁ一杯、お飲みなさい!(故養父影山先生 享年94歳)